作品名の後の数字は「男:女:性別不問」の比率になっております。

[4:1:1]となっていたら

・男性4人、女性1人、男女どちらがやってもいい役が1人

という感じです。

あくまで台本選びのガイドなので、これを必ず守らないといけないというものではないのでご了承ください

※上演の際は必ず「利用規約」をお読みください

宅飲みにて、心理テスト [2:1:0]

配役表

・友人1

・友人2

・公安(友人2の人が兼役)

・JD

0:男子大学生2人が缶チューハイを煽りながら談笑している。

0:その横で女子大生が寝ている。おそらく彼らの友人だろう

友人1:えっと

友人2:はいはい

友人1:Bを選んだあなたが人生で一番大事にしているものは「お金」です。

友人2:ええー!

友人1:基本的に利に聡い(りにさとい)あなたは友人関係においても恋愛関係においてもなにが自分の利益になるかを最優先します。

友人2:そんなことないってー!

友人1:自分の利益を優先するあなたの行動は他人からは一見冷たい人間に映りますが、こと仕事においてはその実力を発揮するでしょう。

友人2:ほう

友人1:また、恋愛関係においても冷静なあなたは感情的にならず、恋人との信頼を築きやすいです。

友人2:ほうほう!

友人1:集団の利益を考えて動けるあなたはリーダーシップもあるので、組織のトップに経てばその頭角を現すでしょう。

友人2:ほうほうほう!!

0:間

友人1:だって

友人1:どう?

友人2:当たってた

友人1:嘘つけよ(笑)

友人2:当たってたよ!リーダータイプ!

友人1:智哉最初否定してたじゃん

友人2:してないよ

友人1:してたよ・・・

友人2:いやーでもやっぱりそうかー

友人2:出ちゃうよねーリーダーの頭角

友人1:智哉サークルでも会長やってるしね

友人2:まあね

友人1:面白いでしょ?

友人2:うん、面白い、なんかもっとないの

友人1:えっとねえ、あとはー

0:と、寝ている女が唸る。

JD:ううん・・・

0:間

友人1:じゃあーこれ

友人2:はいはい

友人1:あなたは山を歩いています。

友人2:はい、山を歩いてます

友人1:はい

友人1:あなたがしばらく行くと、川の音が聞こえてきます。

友人2:お、川があるのかー?

友人1:どうやら川があるようです。

友人2:おー!かーわだーあ!

友人1:うるさいよ

友人2:すまん・・・

友人1:続き言うよ?

友人2:はいはい

友人1:川は深くて、幅も広いので、泳いで渡るのは難しそうです

友人2:はい

友人1:橋があったようですが、川は増水していて流されてしまっています

友人2:あらら

友人1:ふと、川を見ると、なんということでしょう、川の真ん中で少女がおぼれているじゃあありませんか!

友人2:なんだと

友人1:少女はつかまる場所もなく、濁流(だくりゅう)に抗(あらが)おうと必死にもがいています。

JD:ううん・・・むにゃむにゃ・・・

友人1:さて、ここで選択肢ね

友人2:よしきた

友人1:A 少女を無視して先を急ぐ

友人2:少女を無視・・・うん

友人1:B 川に飛び込んで少女を助ける

友人2:おお!ヒーロー!

友人1:C 少女を助けるための道具を探す

友人2:うん、堅実だな

友人1:最後、D 川の水を全部抜く

友人2:え、そんなことできんの

友人1:うん、書いてあるよそうやって

友人2:ふーん・・・まあいいや

友人2:えっとねー・・・あ、質問

友人1:なに質問って

友人2:え、普通に、問題文に対して質問

友人1:うん、まあ別にそんなシステムないけど

友人1:一応どうぞ

友人2:その少女はかわいいですか?

友人1:ん

友人2:いやだから、その少女の顔は可愛いですか?

友人1:えっと・・・

友人1:普通

友人2:普通かあ・・・

友人1:お前最悪だな・・・

友人1:ほら、早く選ばないと少女川下に流れて行っちゃうよ?

友人2:えっとえっと

友人1:こういうのは直観だから

友人1:どれにする?

友人2:B!

友人1:はいBね、川に飛び込んで少女を助ける

友人2:うん、ちゃんと服脱いでね

友人1:うんそこは良いよ別に

友人1:はい!出ました!

友人1:えっとー、Bを選んだあなたは・・・

友人1:・・・(笑)

友人2:ん?

0:友人1、一人で文章を読んで笑い始める。

友人2:おいなんだよ、なんて書いてあったの

友人1:ははは、はぁ

友人1:えっと、Bを選んだあなたは「変態魚人」です

友人2:へんたいぎょじん・・・?

友人1:泳ぎに自信があるあなたは魚人です。

友人2:なんだその偏見・・・いやもう偏見でもないけど

友人1:そして、あなたは少女を助ける以前に少女の体に触りたいと考える変態さんです

友人2:おかしいだろ!

友人1:よってあなたは変態の魚人、変態魚人です

友人2:いやわかんないよ!なに変態魚人って!

友人1:(笑)

友人2:それもう心理テストじゃないだろ・・・

友人1:さっきのやつと同じサイトに書いてあるやつだけど

友人2:ムラがあるなあ・・・

友人1:はーあ笑った笑った

友人2:笑いすぎだよ

友人1:・・・変態魚人(笑)

友人2:おい!

JD:ううん・・・はっ!

友人1:あ、起きた

友人2:おはよう

JD:んん・・・

JD:あれ、私寝ちゃってた

友人1:うん

JD:え、ここどこ

友人1:俺の家

JD:なんで

友人2:覚えてないのかよ

JD:え・・・

友人2:どこまで覚えてんの?

JD:えっと・・・一緒に店入って、飲んでて、サイコロのやつやって・・・ぞろ目が出て・・・

友人2:うん

JD:・・・

友人2:ぞろ目まで?

JD:うん・・・

友人2:序盤じゃん

友人1:確かに、中村さんずっと目座ってたもんね

JD:やっちったなぁ・・・

JD:大丈夫?ゲロとか吐いてない私

友人1:大丈夫、外だったし

JD:吐いたんだ・・・

友人1:水飲む?

JD:うん・・・ありがとう・・・

友人1:おっけー、待っててね

0:友人1、出ていく。

JD:はー頭痛い

友人2:大丈夫か

JD:飲み過ぎたぁ

友人2:そんな飲んでないけどな

JD:そうだった?

友人2:うん、カシオレ3杯

JD:私にしてはよくやった・・・

友人2:もう飲まない方がいいんじゃないの(笑)

JD:うーん・・・

0:間

JD:なんか夢みた

友人2:夢?どんな

JD:なんか、溺れてる夢

友人2:えっ

0:友人1が帰ってくる

友人1:お待たせー、水道水だけど

JD:全然いい

友人1:はい

JD:ありがと

0:JD、水をごくごくと飲み干す

JD:ぷはぁしみるわぁ

友人2:おっさんかよ

JD:東京の水って意外とおいしいね

友人1:そうなんだよ、俺もびっくりした

友人1:もう一杯いる?

JD:いや、もう大丈夫

友人1:おっけー

友人2:なあ圭祐(けいすけ)

友人1:ん?

友人2:中村夢見たって

友人1:夢?

友人2:うん、さっき寝てる時

友人1:へえ、どんな?

JD:んっとね、溺れる夢

JD:ひろーい川の真ん中で、私がおぼれてて、流れが速いから泳ぐこともできなくて、どうしよう

JD:っていう夢

0:友人1と2、笑う

JD:何が面白いの

友人2:俺らのせいだよそれ(笑)

JD:どゆこと・・・?

友人1:あのね、中村さんが寝てる時、二人で心理テストしてたの

JD:心理テスト?

友人1:うん、で、最後に話してたのが、川でおぼれてる少女をどうするかってやつだったの

JD:なるほど

友人1:中村さんも参加してたとは

友人2:少女って年じゃないけどな

JD:ちょっと、マジで苦しかったんだから

友人1:ごめんごめん

友人2:酒に飲まれた罰だな

JD:それを言われると何もいえないです、ありがとうございました

友人2:よし、じゃあ続きやろうぜ

友人1:え、まだやるの

友人2:中村も起きたんだし、3人でやろうよ

友人1:(スマホを見ながら)そうだなあ、えっとー

JD:私心理テスト出せるよ

友人2:お、マジで?

JD:うん、昔ハマってたからいくつか出せる

友人1:おー

友人1:じゃあ、俺と智哉(ともや)が答えるから、中村さん出題者ね

JD:まあ、心理テストっていうか・・・

友人1:ん?

JD:あ、その前にトイレ借りてもいい?

友人1:あ、うん、いってらっしゃい

友人1:・・・場所わかる?

JD:大体わかるでしょ

友人1:ああ、そう、祭壇の部屋は見ないでね

JD:わかったー

0:JD、一度部屋を出ていくがすぐ戻ってくる

JD:祭壇の部屋?

友人1:ないよそんなの(笑)

JD:あ、ああ、そうなの

友人1:部屋出てすぐ右ね

友人2:早く行って来いよ

JD:うん

0:JD、今度こそトイレに行く。

友人2:やっぱおもろいなあいつ

友人1:うん(笑)

友人2:そういえばお前さ

友人1:ん?

友人2:なんで橋本さんと別れたの?

友人1:ああ、橋本さんね

友人2:仲良かったじゃん

友人1:うん

友人1:まあなんというか、流れ?

友人2:なんだよそれ

友人1:ちょっといろいろあってさ

友人2:ふーん

友人1:智哉は?

友人2:何が

友人1:好きな人、いないの

友人2:いない

友人1:即答かよ

友人2:(笑)

友人1:智哉モテるのに、なんで彼女作らないの

友人2:いや、モテないよ

友人1:いいって、お前はモテてるよ

友人2:そ、そう?

友人1:今年何人に告白された?

友人2:4人

友人1:モテてるよ

友人2:そうか、俺はモテてるのか・・・

友人2:まあでもなあ、要らないといえば要らない

友人1:彼女?

友人2:うん、めんどくさいし

友人1:そう、なんだ・・・

0:JD、トイレから帰ってくる

JD:ふーただいま

友人1:おかえり

友人2:ういーっす

JD:トイレ綺麗にしてるね

友人1:うん、毎日掃除してるからね

JD:ふーん

0:一息の間。三人が向き合って座る。

友人2:さあ中村、なんでも来い

JD:え、なにが

友人2:心理テストだよ!

JD:あああ、心理テストね、そうだったね

友人2:忘れんの早すぎだろ

JD:ごめんごめん、おしっこと一緒に流しちゃったかな、記憶

友人2:おっさんかよ

JD:心理テストね

友人2:うん

JD:じゃあ、出すね

友人1:うん

友人2:来い

JD:あなたは道を歩いています。

友人1:道を歩いています

JD:しばらく歩くと、道のわきに一本の大きな木が生えています。

友人1:うん

JD:一見普通の木ですが、あなたはその木に見覚えがあります。

友人2:ほう

JD:あなたは妙に心がざわつき、木をまじまじと眺めます。

友人1:・・・

JD:そして、木の根本に一筋の傷跡を見つけます。

JD:それは、一見見逃してしまうような小さな傷ですが、明らかにそこだけ表面が盛り上がっています。

友人1:うん・・・

JD:その傷を見て、あなたが心の中に隠していた記憶が呼び覚まされます。

JD:あれは20年前のこと。

友人2:中村?

JD:給料に文句を言われ逆上したあなたは、手元にあった果物ナイフで、当時の奥さんを刺殺。

JD:奥様の処理に困ったあなたはこの木の下に彼女の死体を埋めた・・・

JD:スコップで土を掘るときに、がつんと何かにあたる感覚があり、土を払ってみるとそれは木の根っこでした。

JD:仕方がないので根っこを避けて穴を広げ、遺体を埋めて土をかけてそのまま・・・

友人2:・・・

JD:土に還った奥様の養分を吸って育った木は、あれから20年

JD:あなたが傷つけた根っこが地上に出てくるまで成長しました

JD:(けろっとして)さて、その木になっている木の実は何色でしょう!

JD:A

友人2:待った

JD:ん?

0:少しの間

友人2:怖すぎる

JD:え

友人2:いや怖すぎるよ

JD:怖すぎる?

友人2:怖すぎる

JD:いや、まだ選択肢言ってないんだけど

JD:A 赤

友人2:いやいやいやいや

友人2:選択肢どころじゃないよ!

友人2:メインストーリーが重すぎて楽しめないだろこれ

友人2:分厚いんだよ前置きが

友人2:心理テストは概要でいいんだよ、バックストーリーとかいらないの!

友人1:Aは赤、Bは?

友人2:ん?

JD:B 青

友人1:青色の果物か・・・

友人2:圭祐?

JD:C 黄色、D 紫

友人1:ふむー

友人1:普通に考えたら赤だけど、あの憎い女の血を吸って育ったなら、正しく育つはずがないし・・・

友人2:あの、圭祐?

友人1:そう考えると紫かなあ

JD:Dの紫ね、智哉は?

友人2:えっ・・・

友人2:じゃあ・・・赤?

JD:はい、Aの赤

JD:よーし回答が出そろいました

JD:それでは結果発表です!

友人1:おおー!どんな結果が出るかな・・・

友人2:いや、いやいやいや、圭祐!?

友人1:ん?

友人2:怖すぎるって

友人1:なに怖すぎるって

友人2:いや、だって、え?わかんない?なんで?

友人1:何言ってんの智哉

友人2:えええ・・・

JD:えーっとじゃあまず、順番に

JD:Dの紫を選んだ、圭祐からね

友人1:はい

JD:紫の果物が実っていたあなたは、爆発型。

JD:とても情熱的な感情の持ち主。頑固なあなたは納得できない事には一貫してNOを貫き通します。

JD:でも、他人に気を使って自分の気持ちを相手に言葉で伝えるのが苦手な面も。

友人2:なんだこの結果

友人1:当たってるかも・・・

友人2:当たってるの!?

友人1:う、うん・・・思ったことすぐ言えないし

友人2:マジか・・・

JD:ふふん

友人2:じゃあ、俺のは?

JD:えっとね、Aの赤を選んだあなたは意思欠如型。

JD:計画性がなく、飽きっぽい性格のあなたは何事も短絡的に考えがち

JD:周囲の人や環境に流されやすい短絡的な思考の持ち主です

友人2:んー

JD:どう?

友人1:当たってる(笑)

友人2:え!そう!?

友人1:うん(笑)

友人2:俺結構自分しっかり持ってるよ!?

友人1:智哉いつも俺の真似するじゃん

友人2:え、そうだっけ

友人1:学食で俺がカレー食べてるとカレー食べるし

友人1:かつ丼食べてると「お、いいねえ、俺もかつ丼にしようかな」って(笑)

JD:(笑)

友人2:あ、いやまあ、それはほら、お前が美味そうに食べるから

友人1:すごいね、自分で考えたの?

JD:いやー本で読んだの

友人1:あ、なるほど

友人2:俺は納得してないけどな!

JD:はいはい

JD:まあ、ただの心理テストだから

友人2:まだあんの?

JD:心理テスト?

友人2:うん

JD:あるよ?やる?

友人2:やるやる!

友人1:あ、じゃあ俺トイレ行ってくるね

友人2:いってらー

JD:いってらっしゃい

友人2:あ、圭祐

友人1:ん?

友人2:まだ酒あったっけ?

友人1:うん、冷蔵庫入ってるよ

友人1:持ってこようか?

友人2:頼むわ

友人1:おっけー

友人1:中村さんは?

JD:私はいいや

友人1:はいよー

0:友人1、部屋の外に出ていく

友人2:はぁー久々に飲んだなあ・・・

0:間

JD:警察

友人2:え?

JD:警察に電話して

友人2:は?

JD:早く

友人2:ちょ、中村?お前――

JD:お願い、早く警察

友人2:は、はぁ?

友人2:・・・お前がすれば?

JD:充電切れてる

0:間

JD:(小声で)早く!

友人2:わ、わかったよ

0:友人2急いで携帯を取り出してダイヤルする

友人2:はい・・・えっと・・・事件・・・

JD:うん

友人2:事件です・・・大迫智也です・・・はい

友人2:はい、はい、えっと、柏池市中央区柴葉(かしわいけちょう ちゅうおうく さいば)

友人2:2丁目、コンビニの上です、そうです、はい

0:部屋の扉が開く

友人2:・・・

友人1:・・・電話?

友人2:(部屋の隅に移動しながら)はい・・・はい・・・

JD:バイト先からだって

友人1:あーそうなんだ

JD:あれ?三本?

友人1:うん、どうせだし、中村さんも飲みなよ

JD:私はいいよほんとに

友人1:いいから、ほら、アルコール低いヤツだし

JD:うーん、わかった、一本だけね

友人1:はいはい、一本だけね

友人2:・・・

友人1:電話終わったの?

友人2:ああ

友人1:大丈夫?

友人2:うん・・・

JD:店長なんて?

友人2:え、ああ、うん、店長・・・

友人2:先月の・・・バイト代、まだ取りに行ってなかったから、いつ来るかって

JD:おー臨時収入ー

友人1:いいなーバイト代

JD:圭祐もバイトしてるでしょ(笑)

友人1:うーん、でも最近ちょっと行けてなくてさ(笑)

JD:あーそっか

友人1:そうそう、ジリ貧生活です

JD:あはは

友人1:智哉、これ、お前の

友人2:あ、うん、ありがとう

友人1:じゃあ中村さん

JD:うん

友人1:心理テストやろ

JD:・・・うん

JD:じゃあ、第2問

友人1:はいはい

JD:あなたは絶対に他の物に変えられない宝物を持っています。

友人1:うん

JD:しかし、それには国宝級の価値があり、世界中の組織があなたの宝物を奪おうとしてきます。

友人1:ほうほう

JD:持ち運べるものでもないので、あなたはそれを隠そうと思いました。

友人1:はい、隠します

JD:どこに隠しますか

友人2:中村、それって――

JD:(さえぎって)A 家の中

JD:B 海外の金庫

JD:C 親戚の家に預ける

JD:D あきらめて手放す

JD:さあ、どれ?

友人1:そうだなあ

JD:直観で答えてください。

友人1:えっとね・・・A!

JD:Aの家の中ね

JD:智哉は?

友人2:じゃあ・・・C

JD:Cの親戚の家に預けるね

友人2:うん・・・

JD:そしたらさっき圭祐からだったから智哉からね

友人1:お、どんな結果だー?(笑)

JD:Cを選んだあなたは回避型の人間です。

JD:自分が傷つくことを恐れるので信頼できる人にしか心を開きません。

JD:自分に危害を加えてくる可能性のある人間は絶対に回避しようとします。

友人2:お、おう・・・

JD:当たってた?

友人1:当たってるー!

友人2:そうかな・・・

友人1:当たってるよ(笑)

友人1:智哉こう見えてコミュ障だからな

JD:(笑)

友人1:仲良くなるのにも時間かかったもん相当

JD:私も(笑)

友人2:うん・・・

友人1:ん?

友人1:どうした?元気ない?

友人2:い、いや、そんなことないよ

友人1:そう

0:間

友人1:で、俺のは?

JD:うん、えっとね

友人1:うんうん

JD:Aの家の中を選んだあなたは護衛型の人間です

友人1:護衛?

JD:そう

JD:あなたは大切なものを守ろうとする気持ちが強い人間です。

JD:また、基本的に他人を信用していないため自分一人ですべてを解決しようとするところがあります。

JD:その性格から、頼れる人が少ないため、悩みをため込んで辛くなることもあるでしょう。

友人1:さっきとおんなじじゃん!!

JD:そうだね(笑)

友人1:適当なんじゃないの(笑)

JD:そんなことないよー!

JD:一時期勉強してたんだから

友人1:でも、当たってる

JD:あ、ほんとに?

友人1:うん、中村さんと智哉はさ、仲いいけど、それ以外は、ね(笑)

友人1:俺結構怖がられるんだよね、初対面の人に、人相のせいなのか性格なのかわかんないけど

友人2:性格というか、喋り方じゃない・・・?

友人1:ん?喋り方?

友人2:うん、俺も最初怖かったし

友人1:えええええ!そうなの!?

友人2:うん(笑)

友人2:覚えてる?入学式の時

友人1:うん、覚えてる(笑)

友人1:健康診断の場所、俺がわかってなくてね

友人2:そうそう、お前が女子用の会場に行こうとしてて

友人1:そしたらお前が声かけてきたんだよな

友人1:「そっち女子ですよ」って

JD:(笑)

友人2:そしたらこいつなんて言ったと思う?

JD:なに?

友人2:「え、間違ってましたか?僕」って

友人2:こいつアク強そうだなーって思いながら、ちょっと怒ってる智哉の後ろに「女子専用会場」って看板が見えて、もう爆笑

友人1:やめろって(笑)

JD:女子専用会場(笑)

友人1:(ふてくされて)見えなかったのー

JD:それから仲良くなったの?

友人1:そうそう、爆笑する圭祐の目線を追って振り向いたら、俺も看板見つけて、二人で爆笑

JD:へえ、なんか青春って感じだね

友人1:実際青春だからねえ

JD:たしかに

0:間

友人1:よし!じゃあ三人の青春に乾杯しよう!

JD:なにそれ(笑)

友人1:いいだろー!今日は飲みたい気分なの!

JD:私もう飲めないってー

友人1:いいからいいから、中村さんのだけ弱いヤツだしさ!

友人1:ほら、缶開けて!

0:プシュッという音が部屋に響く。間。

友人1:(すこし酔っぱらって)よし

友人1:そしたら、三人の出会いと

友人1:俺らの大学生活と

友人1:限りない未来と

友人1:就活と

JD:(笑)

友人1:そして、若人(わこうど)たちの青春に!

0:ふいに玄関のチャイムが鳴る。長い間。

公安:ごめんくださーい

0:鉄製の玄関がドカドカとノックされる。

公安:ごめんくださーい、警察です

0:間

友人1:ああ、そっか

友人1:さっきの電話、警察だったんだ

友人1:そっか

0:玄関がノックされる。ガンガンガン。

公安:すみませーん、開けてもらってもよろしいでしょうか。

友人1:出てくるね

0:間。ゆっくりと玄関に向かう友人2。

友人1:今日、楽しかったね

公安:すみませーん、玄関、ロック外せますかー

友人1:お酒とか食べ物とか、まだ冷蔵庫入ってるからね

公安:あのー大迫さんですか!大迫さーん!

友人1:お前らと友達になれてよかったよ

公安:あのー!通報受けて来たんですけど、いたずらだったら帰りますよー!

友人1:じゃあね。

0:ガチャリ、玄関の扉が開く。

公安:ああ、よかった、えっと、大迫さん?

友人1:いえ、僕

0:友人1、聞こえるか聞こえないかの吐息を吐く

友人1:丹野啓介(たんのけいすけ)です。

0:画面は引いて、彼らのマンションを映す。

0:遠くの高速自動車道からうっすらと車の走行音が聞こえてくる。

:以下、ネタばれなので余韻を残したい方は読まないでください。

0:取調室、公安とJDが向き合っている。

公安:君の言った通り、遺体は脱衣所の床下から見つかったよ

JD:(泣いている)

公安:辛いところかとは思うが、いくつか質問させてもらってもいいかな

JD:(泣きながら)はい・・・

公安:まず、どうして彼がやったと気づいたんだい?

JD:それは・・・

公安:ああ、ゆっくりでいいよ

JD:すみません・・・

公安:辛かっただろうから、ゆっくりでね

JD:大丈夫です・・・はい、大丈夫です

公安:うん

JD:昔、趣味で犯罪心理学について調べてたんです

公安:ほう、犯罪心理学かい

JD:はい、ニュースを見て、犯罪を犯す人の気持ちが理解できなくて、それで

公安:なるほど

JD:それで・・・(また泣き出してしまう)

公安:・・・お水、飲むかい?

JD:いえ・・・大丈夫です・・・

JD:洗面所の下に、包丁を見つけたんです

公安:凶器か

JD:はい・・・それで、警察に連絡して・・・

公安:うん

JD:時間を稼ぐついでに、心理テストをやったんです

公安:し、心理テスト?

JD:はい、丁度そういう流れになっていたので・・・

公安:う、うむ・・・

公安:それで?

JD:その場で考えて、彼に探りを入れたんです。

公安:うん

JD:まず、類型化しようとしました

JD:心理学の結果は、彼を爆発型と判断しました。

公安:爆発型?

JD:はい、些細な事で逆上し、暴力に走るタイプの人間です。

公安:ふむ

JD:そして、次に遺体の場所を探ろうとしました。

公安:実際君が教えてくれた場所から遺体は見つかった

JD:ええ・・・

公安:被害者の身元は、一か月前から行方不明になっていた橋本幸奈(はしもとゆきな)さんだったそうだ

JD:同級生です・・・

公安:圭祐君の彼女だったんだろう?

JD:・・・はい

公安:辛かったろう・・・

JD:いえ・・・

公安:あと一歩到着が遅れれば君らの身も危なかったかもしれない

公安:本当に、無事でよかった

0:間

JD:あの・・・それはないと思います

公安:ん?

JD:彼は、私たちに危害を加えるつもりはなかったと思います

公安:・・・どうしてだい

JD:彼は・・・

公安:うん

0:間

JD:友人だから

0:間

公安:そうか

公安:・・・すまなかったね、長々と話をさせてしまって

公安:家まで送ろう

JD:いえ、私、一人で帰れます

公安:・・・そうか

公安:そしたら、ストラップ、受付に返しておいてくれ

JD:はい、ありがとうございます

公安:ああ、ありがとう

0:JD、取調室を出ていこうとするが立ち止まって

JD:あの

公安:ん?

JD:申し訳、ありませんでした

公安:・・・ああ

0:JD、出ていく

公安:・・・

0:公安、部屋に残される。

0:暗転

:完

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はじまめして!らて@放浪作家です! このサイトはシナリオライターのらてが執筆したシナリオを置いておく場所になります。 声劇や劇団のインプロ、演劇部の上演に使っていただいても構いません! 皆様こぞってご上演ください! ※上演前に必ず利用規約をお読みください

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