ぽにぽにマウンテンの日常【0:0:4】
:■はじめに■
:この台本はこの世のすべての「かわいい」を凝縮した台本になっております。
:老若男女、LGBTQ全人類はこの台本に思い思いの「かわいさ」をぶつけてください
:恥ずかしがることはありません。あなたの中に眠る「KAWAII」を解き放ちましょう!!
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語り部:ここは「ぽにぽにマウンテン」海の底の扉の奥に、ひっそりと佇むその山は、たくさんのえいようと生き物たちの希望のちからで今日も生き生きと色づいています。
語り部:今日はそんな「ぽにぽにマウンテン」に住み着くどうぶつたちの日常を、ほんのすこーしだけ、一緒にのぞいてみましょう
0:画面が水面をズームインして、やがて色とりどりの木々に覆われたカラフルな山が現れる。と、画面奥からまるまるふとったカニが歩いてくる
かにぽん:あーあ、今日もたーべすぎちゃったよぉ。イーストマウンテンの泡はいつ行ってもおいしいなあ。
0:画面手前から、どぎつい色の蛇が滑ってあらわれる
へびぽん:よう、かにぽん
かにぽん:あ!へびぽん!ほんじつはお日柄もよく
へびぽん:かにぽんは今日もゆったりしてるな、のんきなもんだよ
かにぽん:えへへー、そうかなあ
へびぽん:そんなことよりかにぽん
かにぽん:なあに?へびぽん
へびぽん:これからトラネキサムさんと「うさぽんの家」に行くんだけど、一緒にいかない?
かにぽん:ええ!いいなあ、いいなあ!ぼくもいきたい!
へびぽん:だから誘ってるじゃんかよ
かにぽん:あ、そっかあ
へびぽん:これから行くところなんだよ、暇だったら一緒に行くか?
かにぽん:いいよー、いいけど、うさぽんの家でなにをするの?
へびぽん:おいらもよくしらないんだけどさ、「おちゃかい」をするらしいぜ
かにぽん:おちゃかいー?
へびぽん:うん。なんでも18世紀イギリスで始まりそもそもは空腹をしのぐため昼食の後に軽食を食す文化が明治時代に日本に伝わりポップカルチャーとして親しまれるようになった人間界の習慣 らしいぜえ
かにぽん:へえ・・・?おちゃかいって具体的にはなにをするのぉー?
へびぽん:小麦粉?をつまみに、葉っぱを煮たあとの煮汁?を飲む?らしい
かにぽん:それは何が面白いのでしょうか
へびぽん:まあまあ・・・「きっとみんな喜ぶはずだピョン」ってうさぽんも言ってたし、行ってみて詰まらなければ帰ればいいしな
かにぽん:それもそうだねえ
へびぽん:じゃあ、一緒にいこうぜ
かにぽん:うーん・・・
語り部:おやおや、どうやらへびぽんとかにぽんはうさぽんの家にお茶会に行くみたいです。ふふふ、なんだかわくわくの予感がしますね。後をつけてみましょう。
0:道すがら、かにぽんとへびぽんは、大柄のトラに出会う。どうやら彼らは知り合いらしい。
トラネキサム:おーう!へびぽん!
へびぽん:トラネキサムさんだ、こんにちは
かにぽん:こんにちはー
トラネキサム:おうおう!かにぽんまで、こらこら、抱き着くんじゃねえよ。お前もお茶会に興味があるのか!
かにぽん:うーん、たまたまそこでへびぽんと会って、ついてきちゃったのー
トラネキサム:そうかそうか!なら三人で行こう!今日は楽しい一日になりそうだな!
語り部:トラネキサムさんと合流した三人、野を越え丘を越え、少し長い道のりでしたが、やっとのことうさぽんの家にたどり着きました。
かにぽん:うわああ、なんだかいい匂いがするねえ!
へびぽん:ほんとだな、すっごく甘いにおいがする
トラネキサム:なんだ二人とも。へびぽんには言ってなかったか?これはクッキーの匂いだよ
かにぽん:クッキー?
へびぽん:なんだそれ?
トラネキサム:クッキーはな、とてもおいしいお菓子なんだよ。
かにぽん:おちゃ っていうのと関係があるの?
トラネキサム:あたぼーよ、関係大有りだ。ほらみろ、うさぽんの家の煙突、煙がもくもく出てるだろ?
かにぽん:あれじゃあ太陽さんがむせちゃうよ
へびぽん:ばかだなかにぽんは、太陽さんは燃えてるからむせないんだよ
かにぽん:なんでそんなのしってるんだよー
へびぽん:おじいちゃんに教わったんだよ!!
トラネキサム:まあまあ、喧嘩すんなお前ら。いいか?クッキーは焼いて作るんだ
かにぽん:サンマみたいに?
トラネキサム:俺も詳しくどう作るかはしらねえんだけどな?まあそんなようなもんだ
かにぽん:へー
トラネキサム:そして、クッキーは、めちゃくちゃ、甘い
へびぽん:おれ甘いのすきだ!
トラネキサム:そうだろう?
かにぽん:かにぽんもすき!
トラネキサム:そうだろうそうだろう、実は、俺も甘いのが好きだ
かにぽん:トラネキサムさん大人なのに?
トラネキサム:ああ、村のみんなには内緒だぞ?
かにぽん:わかった・・・
トラネキサム:とにかくだ!そのあまーいお菓子を今日はうさぽんが作って俺らに食わせてくれる!想像しただけでよだれが出てくるだろう!
かにぽん:早く!早くドアをノックしようよ!
へびぽん:ええい!もう我慢できないや!
語り部:と、へびぽんがうさぽんの家に駆けよりドアをノックします。しかし・・・あれれ?いつもは急いで出てくるうさぽんが、今日は返事すらありません
かにぽん:うーさーぽーん!うさぽん!きたよー!
へびぽん:おーい!うさぽーん!
トラネキサム:おかしいなあ、なんで出てこねえんだ?
へびぽん:うーーーさーーーー ぽん!
語り部:と、へびぽんがドアを強くノックすると、ぎぃーと、ドアがあきます。
へびぽん:あれ?なんで開いてるんだ?
トラネキサム:ああ、なるほどな、俺らが来ると思って、ドアを開けていてくれたんだ。
かにぽん:うーさーぽーん!クッキー食べに来たよー!
語り部:かにぽんはクッキーの匂いにつられて、たまらなくなったので、ドアを思いきり押し開けます。
全員:・・・・・・。
語り部:全員の目に飛び込んできたのは、壮絶な光景でした。白い床は赤く染まり、およそ血痕と思しきその海に、白い体躯を血に染め息耐えたうさぽんの姿
語り部:キッチンは作業中だったのでしょう、蛇口から絶えず水が流れ出て、排水溝へと流れていきます。シンクには刃先のとがったナイフが一本、血まみれになっておいてあります。
語り部:刃先にあたる水が、ナイフをしきりに揺らして音を立てますが、その音はすぐにつけっぱなしのコンロに置かれたティーポットが沸き立つ音でかき消されます。
語り部:殺人事件の発生です。これより推理時間に入ります。各々議論を交わしてください。
語り部:なお、みなさんは各々が探偵であるとともに、また容疑者であるということもお忘れなきよう。
語り部:5分間、時間が来たらお知らせします。
全員:・・・・・・
語り部:そうそう、言い忘れていました。鑑識の報告によればうさぽんの死亡推定時刻は午前11時過ぎ。みなさんが知らされていた集合時間の4時間前になります。
全員:・・・・・・・
かにぽん:私にはアリバイがあります。
トラネキサム:ほう?聞かせてもらおうか
かにぽん:私は先刻、そうですね、午前10時頃になります。イーストマウンテンのよどみのあたりで泡を食していました。
へびぽん:それを証明する人物は?
かにぽん:イーストマウンテンのウツボたちが私の事を見ているかと思いますよ。
へびぽん:ほう
かにぽん:挨拶もしましたので。
トラネキサム:ふむう、それは分かった、信じようじゃないか。だがかにぽん。それは本当にアリバイなのか?
かにぽん:どういう事でしょうか
トラネキサム:いいか?イーストマウンテンからここまで、つまりこのうさぽんの家までたどり着くのにどのくらいかかる?
へびぽん:大体3時間くらいだね
トラネキサム:普通の哺乳類ならそのくらいだな
かにぽん:どういうことですか?
トラネキサム:陸を歩けば という事さ。だが、水中を急げばどうだ?
へびぽん:・・・もしかして、ビバロック海峡ですか?
トラネキサム:そうだ。海峡を歩けば片道はちょうど30分程度だ
へびぽん:なるほど・・・
トラネキサム:つまり俺の推理はこうだ
トラネキサム:まずかにぽんは朝10時、いつものようにイーストマウンテンでウツボに挨拶をする。そこから30分かけてビバロック海峡を急いで移動、ここへきてうさぽんを殺害
トラネキサム:何食わぬ顔で戻ってきて、おそらくこいつはお茶会の事も事前に調べて知ってたんだろうな。へびぽんと合流して、死体を俺らと発見した
へびぽん:で、でもトラネキサムさん
トラネキサム:うん?
へびぽん:それはあくまで憶測にすぎない。何か証拠はあるんですか?
トラネキサム:もちろんだよ。なきゃこんなこと言っちゃいない。
へびぽん:なんですか
トラネキサム:これだよ、俺の右腕に残った、このシミが動かぬ証拠なんだ
へびぽん:こ、これは・・・血?
トラネキサム:ああ、そうだ、覚えてるか?俺らが出会ったとき、かにぽんは俺の腕に抱き着いてきた。
へびぽん:ああ、覚えてます
トラネキサム:その時に俺の腕についたんだよ、このうさぽんの血液がな!
へびぽん:いや、しかし僕と会ったときかにぽんの体には血なんかついてなかったですよ・・・?
トラネキサム:へびぽん・・・かにぽんの体は何色だ?
へびぽん:それは赤・・・・あっ!!
トラネキサム:・・・そういうことだ
0:沈黙が流れる。とふいにかにぽんが笑いだす。
かにぽん:ふふ・・・ふふふふ・・・ふははははははは!あーっはっはっは!
トラネキサム:何がおかしいんだ?
かにぽん:面白い創作ですねトラネキサムさん。ではまず質問です。私が犯人だったとしたら、動機は一体なんなのでしょうか?
トラネキサム:動物ってのはな、知らず知らずのうちに犠牲を生み出しちまう仕組みになってんだよ
かにぽん:世迷言を。そしてもうひとつ。本当に私が犯行が可能であったとお思いですか?
トラネキサム:どういうことだ?
かにぽん:さきほどあなたはこう言いましたね?「ビバロック海峡を急いで移動」と。
トラネキサム:ああ、それがなんなんだ?
かにぽん:では、みていただきましょうか・・・私が急いで歩く姿を
全員:・・・・・・
0:カニ、全力で横歩きをする
へびぽん:横歩き・・・!?
トラネキサム:・・・
かにぽん:(ゼエゼエ言いながら)・・・わかっていただけましたか?凹凸のあるビバロック海峡、特に今日は高潮だ。私のこの横歩きで、果たして30分でここまで来ることができるでしょうか?
トラネキサム:・・・
へびぽん:無理だ・・・
かにぽん:つまり私のアリバイは立証された、私は白です。うさぽんを殺したのはあなた方ふたりのどちらかですね。
へびぽん:ちょ、ちょちょ、ちょっとまってくれよ!!俺はやってない、やってないって!!
かにぽん:へびぽん、あなたのアリバイは・・・?
へびぽん:おれは、おれはやってないんだって・・・アリバイは・・・
へびぽん:そ、そうだ!俺のママが!ママが見てるよ!
かにぽん:一般的に、身内の証言は証拠能力が低いとされますが、ここはアンオフィシャルな場です。我々三人の心証を左右するかもしれません。聞きましょう。
へびぽん:あ、ああかにぽん、恩に着るよ。俺は11時には家にいた。家を出たのは13時くらいなんだよ!
かにぽん:間違いありませんか?
へびぽん:長い付き合いだろ!俺が約束の数時間前に家を出るようなヘビに見えるかよ!
かにぽん:そうですねえ・・・
へびぽん:動機がないって!!なんで俺がうさぽんを殺さなければならないんだよ!
かにぽん:あなたは、弱みを握られていたのではありませんか
へびぽん:え・・・?
かにぽん:あらかじめ断っておきますが、ここから話すことは憶測になります。ただ、この状況下では憶測の発言も効力を持つことを念押ししておきます。
かにぽん:へびぽん、あなたは今日、私を「おちゃ」なるなぞの会合に勧誘した
トラネキサム:謎の会合って・・・おちゃが何かはさっき俺が説明しただろう
かにぽん:トラネキサムさんは黙っててください。
へびぽん:・・・。
かにぽん:私は誘われたとき、素直にうれしかった。しかし、竹馬の友として一つ気づいたことがあったんです
へびぽん:なんだよ・・・
かにぽん:怯え。そう、あなたの瞳には申し訳ばかりの「怯え」が垣間見えていた。
へびぽん:な、なんで俺がかにぽんに怯えなきゃいけないんだよ。ともだちだろ?
かにぽん:いいえ、私にではありません。
へびぽん:え?
かにぽん:うさぽんですよ。あなたはうさぽんにおびえていた
へびぽん:・・・
かにぽん:あらすじはこうです。
かにぽん:あなたはなんらか、そうですね。おおよそ金銭問題でしょう。うさぽんに弱みを握られていた。
へびぽん:・・・
かにぽん:あなたが万年金欠なのは私も知っています。そして、金を返せないならと、うさぽんにある話を持ち掛けられた。
へびぽん:・・・どんな話だよ・・・
かにぽん:「おちゃ」ですよ。私、先ほどそこのポットを確認してみたんです。あとクッキーも。
へびぽん:・・・
かにぽん:このおちゃとクッキーからは、微かにですがアーモンドに似た香りがしました。最初は普通にアーモンドのお菓子かと思いましたが、この香りは少し違ったんですよ。
へびぽん:・・・
かにぽん:へびぽん。安心してください。私は一言も、あなたを犯人だとは言っていない。
へびぽん:そうなの?
かにぽん:そうです。あなたが勝手にドツボにはまってただけですよ。そして、それによって分かったこともある。
へびぽん:わかったこと?
かにぽん:うさぽん殺しの真犯人です
へびぽん:ほ、本当か!
かにぽん:はい。とまあ、ここまで話せば、もう察しはついているでしょう。ね?トラネキサムさん
トラネキサム:ああ?今度は俺を疑うっていうのか
かにぽん:ははは、私はハナからあなたしか疑ってませんよ。
へびぽん:お、お前だったのか!!!
かにぽん:へびぽん、君にも罪はある。黙ってなさい。
へびぽん:すみません・・・
トラネキサム:・・・黙っていればガキがピーピーピーピーよお、なんだ?俺がやったっていうなら証拠を出してみろよ
かにぽん:・・・滑稽ですねえ
トラネキサム:なんだと!!俺の推理のどこに穴があるっていうんだ!おまえだよかにぽん、お前が犯人なんだよぉ!
かにぽん:証拠
トラネキサム:あ?
かにぽん:今まさに、私に突き出しているその右手、それが何よりの証拠です。
トラネキサム:は?この血痕か?ばかいうな、これはお前が俺に抱き着いたときに…
かにぽん:私の無実はすでに実証されています。
トラネキサム:・・・ど、どどど、同機がねえだろうがよぉ!!!
かにぽん:ここからは、へびぽん、あなたの罪も同時に問わねばなりません。
へびぽん:え?おれの罪も・・・?
かにぽん:はい。まずへびぽん。先ほど私が言っていた、アーモンド臭になにか心当たりはありますか?
へびぽん:ないよ!アーモンドの入ったクッキーだったんだろ!
かにぽん:そうですか。ではへびぽん、そこのクッキー、食べていただけますか?
へびぽん:うっ
かにぽん:食べられないんですね
へびぽん:んなわけねえだろ!こんなうまそうなお菓子よぉ!!!
全員:・・・・・・
へびぽん:(クッキーを食べようとするが)やっぱむりだあああ!
かにぽん:毒入り、なんですね
へびぽん:・・・
かにぽん:この独特なアーモンド臭。おそらくはシアン化カリウム入りのクッキーですね?
へびぽん:・・・
かにぽん:「青酸カリ」・・・と言った方がわかりやすいでしょうか・・・?
へびぽん:・・・くっ
トラネキサム:へびぽんおまえ!俺らを殺そうとしてたのか!おいこらあ!
かにぽん:トラネキサムさん
トラネキサム:な、なんだよ
かにぽん:へたな芝居はやめてください
トラネキサム:ど、どういうことだよ
かにぽん:あなたは知っていたはずです。彼が我々のクッキーに毒を入れようとしていることも、あなたと私がはく製にされて人間界に売り飛ばされようとしていたこともすべて
トラネキサム:・・・
かにぽん:トラのはく製は現世で高く売れるそうですからね
トラネキサム:俺には、俺には娘がいるんだよ・・・こんなところで殺されるわけにはいかねえんだよぉ!
かにぽん:ではお茶会に参加しなければよかった。
トラネキサム:本能が、俺の脳みそが砂糖の甘みを覚えちまってるんだ・・・クッキーが食えるなら、食えるならと・・・
かにぽん:そしてクッキーからかおるアーモンド臭に、気づいた。今日こそが自分の処刑日だと、気づいてしまった。
トラネキサム:生きなきゃいけないんだ、生きなきゃ、生きるためなら、お前らを、お前らを殺してでも!生きなきゃいけないんだ!お前らおおおおおおおお!ウオオオオオオオオオオオ!
語り部:5分経過。以上になります。
トラネキサム:お・・・?
へびぽん:やだ、やだやだやだやだ
語り部:視聴者投票の結果。
0:短い沈黙。
語り部:かにぽん 240票
語り部:へびぽん 4880票
語り部:トラネキサム 4880票
語り部:同票多数により、へびぽん、トラネキサムの二名を執行します。
トラネキサム:娘が、娘がいるんだよぉおおおおおお!
へびぽん:こわいこわいこわいこわい、やだやだやだやだ!
0:空からユーフォーキャッチャーのアームが下りてきて、蛇と虎をつかんで空へとつかみあげる。ぐんぐんとアームによって二人は持ち上げられて、やがて空の果てに消える。
かにぽん:うさぽん。本当は君が一番の罪人なんだけど、君はもう息をしていない。天に召された君に、多くの試練と、苦難と、厳罰が待ち受けていることを僕はこのつややかな両手のハサミで祈り続けるよ
かにぽん:トラネキサムさん、罪は罪だ、償わねばならない。あなたの生に対する貪欲さも、正義の前では必ずしも「愛」という言葉で正当化できるものではありません。
かにぽん:そしてへびぽん、君は弱かった。だからこそ、弱い僕のなによりの理解者だった。惜しい人を亡くした。また生まれ変わるとしたら、もしその時が来たら・・・
0:春のあたたかい風がぽにぽにマウンテンを音を立ててすり抜けていく。
かにぽん:どうか、何にも怯える事のない生を受けてください
0:部屋には、倒れたうさぽんと佇むかにぽん。依然としてコンロの上のポットは泡を吹きこぼし続けている。
0:春、生命が息吹くころ、ぽにぽにマウンテンにあたたかい風が吹く。
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:~完~
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