作品名の後の数字は「男:女:性別不問」の比率になっております。

[4:1:1]となっていたら

・男性4人、女性1人、男女どちらがやってもいい役が1人

という感じです。

あくまで台本選びのガイドなので、これを必ず守らないといけないというものではないのでご了承ください

※上演の際は必ず「利用規約」をお読みください

魔王と勇者の最終決戦 [0:0:2]

0:ここは街はずれの魔王城。

0:最寄り駅で下車した勇者は険しい山道を登りやっとのことでここまでたどり着いた!

魔王:待ちくたびれたぞ、勇者ファーネス

勇者:貴様が魔王か

魔王:いかにも

魔王:魔の眷属(けんぞく)を統べるもの。

魔王:魔界の覇者にして世界の根源。

魔王:魔王オルールとは吾輩の事なり。

勇者:ふんっ

勇者:世界の根源とは大きく出たものだな!

魔王:小さきものよ、たとえそれが勇者とて吾輩の前では虫けら同然よ

勇者:御託はいい、死ぬ覚悟はできてるな?

魔王:ハッハッハ・・・

魔王:今のうちに息巻いておくことだな。

魔王:貴様こそ、仲間に別れは告げてきたのかね?

勇者:その必要はない。

勇者:なぜならここで貴様を倒して、仲間のもとへ帰るからな!

魔王:ふむ、よかろう。

魔王:しかし、せっかくここまで来たのだ。

魔王:すぐに終わってしまってはつまらない。

魔王:ハンデとして、貴様の最初の一撃は守らず受けてやろう。

魔王:そして、吾輩の絶対的な力に気づいて絶望するのだ。

魔王:フッフッフッフ・・・

魔王:絶望した人間をつぶすのは愉快だからのう。

勇者:ふっ・・・

勇者:後悔するなよ・・・

魔王:来るがいい、お主の全力を込めた攻撃を吾輩に打ち込んで見ろ!

勇者:見くびられたものだな・・・

勇者:まあいい・・・

勇者:いくぞ!

勇者:聖なる光よ、共鳴せよ!

勇者:バルドルの加護に従ってわが剣に力を与えたまえ!

勇者:アーク・ホーリー・シャイニング・シュークルート!

0:聖なる光とともに魔王に会心の一撃

魔王:ぐ、ぐぉおおお

勇者:私とて伊達に時間を使っておらんわ!

魔王:ううう・・・

勇者:なんだ、この一撃で終わりか

勇者:魔王なんて名前だけだな

魔王:ううううう・・・

魔王:うう・・・ふう

魔王:ふう、ふっふっふ

勇者:何・・・?

魔王:ふふふははははははは!

魔王:これで終わりだと?

魔王:片腹痛いわ!こんな攻撃、いくら受けても利かぬぞ!

勇者:おかしい、私の剣は貴様の心臓をはっきりと貫いたはず!

魔王:心臓を貫いた、か・・・

魔王:脆弱(ぜいじゃく)な人間の価値観であるな

勇者:ど、どういうことだ

魔王:魔族の王である吾輩の心臓が、どうしてひとつだと思ったのだ?

勇者:なんだと・・・

魔王:はぁーはっはっはぁ!滑稽よのう勇者よ。

魔王:その顔、少しは絶望してくれたかね?

勇者:馬鹿を言え・・・

勇者:私はあきらめない、これまでもそうしてきた

魔王:おうおう、良い目をしているのう

魔王:さーすが勇者よ、その瞳、どう曇っていくかな?

勇者:くっ

勇者:もう一撃いくぞ!

勇者:地獄の業火に焼かれし死者の魂よ!

勇者:我が剣にその無念を託したまえ!

魔王:なに・・・?闇属性だと?

勇者:油断したな魔王よ!!

勇者:くらえ!

勇者:ヘルフレイムダークシャドウフリカッセ!!

魔王:な、なぜ人間が闇属性の魔法を!?

勇者:魔王よ、地獄の炎は、なかなか消えぬぞ

勇者:くらえ!プレゼ!

魔王:ぐおおおおおおあああああああああああああああああああ!

勇者:思い出せ!

勇者:貴様が意味なく殺めてきた人間たちの悲鳴を!

勇者:感じろ!

勇者:貴様が容赦なく葬ってきた人間たちの恨みを!

魔王:うお、うわ、ウワアアアアアアアア!

勇者:その痛みは、貴様に殺された者たちが感じた痛みだ!

魔王:ウウウウ・・・・

勇者:とどめだ、魔王オルール・・・

勇者:死してなお使命に燃える英霊たちの魂よ

勇者:築き上げた英知をこの剣に授けよ!

勇者:エターナルぅ!

勇者:スピリットぉ!

勇者:エクストラぁ!

勇者:セラフィックぅ!

勇者:ロティール!

魔王:ストップ

勇者:なっ、私の剣技が・・・止められた、だと!?

魔王:うん、ごめんね

勇者:ごめんねじゃあない!貴様!

勇者:貴様なぜピンピンしているんだ・・・!

魔王:いや、そのなんだ、ちょっとまってね

勇者:待てるか!私が何年かけてここまで来たと思ってるんだ!

魔王:ん、まあね、そうね、たしかにそうなんだけどさ

勇者:行くぞ!トドメだ!

魔王:あーちょっと勇者君

勇者:エターナルぅ!

勇者:スピリットぉ!

勇者:エクストラぁ!

勇者:セラフィックぅ!

勇者:ロティィィーーールぅ!

魔王:(魔法を打ち消して)そこなのよ

勇者:なっ!

勇者:また打ち消されただと!?

魔王:うんだから、ちょっと待ってって

勇者:先ほどまで利いていたというのに!

魔王:うん、そうだね、闇属性魔法とかすごかったもんね

勇者:まさか・・・まだ力を秘めていたというのか・・・

魔王:あいや、そういうわけじゃないんだけどさ

勇者:くそぅ!

魔王:あの、勇者君?

勇者:私も・・・ここまでか・・・

魔王:勇者君!

勇者:・・・なんだ?

魔王:いや、その良い感じだったのよ?最初は

勇者:最初は?

魔王:う、うん

魔王:なんか、決戦の時!って感じでさ、すごーく緊張感あったし、吾輩もがんばろって思ったから

勇者:じゃあなぜ戦いを止めたのだ!

魔王:んー、そうねえ、全体的にはね、吾輩も結構打ちのめされてたし、あー勇者君すごいなーって・・・

勇者:そうだ!貴様は途中まで明らかにダメージを受けていた!

魔王:うん、そう、そうなの

魔王:そうなんだけどねー、なんかね、その、いや否定するわけじゃないのよ?

魔王:否定するわけじゃないんだけど・・・

勇者:なんだ!私のどこがマズかったんだ!はっきり言ってみろ!

魔王:うんー・・・

魔王:その、さ

魔王:吾輩を倒すために、何年旅したんだっけ?

勇者:・・・私は、タリカの町で生まれて、勇者の任を受けてここまで旅をしてきた

魔王:うんうん

勇者:10年の歳月をかけて、魔物を倒し成長しながらこの魔王城にたどり着いたのだ!

魔王:わあ!10年!がんばったねー!

勇者:やめろ!貴様に褒められる筋合いはない!

魔王:あ、ああ、ごめんね

魔王:うん、10年ね・・・

魔王:でさ、その10年間、どんな旅をしたのかなー?と思って

勇者:それは・・・どういうことだ?

魔王:あーいやいや、それは壮大な冒険だったんだろうけど、その

魔王:なんというか君の戦い方がちょーっと引っかかるかなって・・・

勇者:引っかかる?

勇者:一体何を言っているんだ!!

魔王:あーそうだよね、うん、わかる、そうなるよね

魔王:うーん・・・あのさ

勇者:なんだ

魔王:呪文をさ、もう一度聞きたいなあと思ってさ

勇者:呪文だと?

魔王:そうそう、君がさ、その剣をさ?

勇者:聖剣クラージュだ

魔王:ああ、うん、聖剣クラージュ?を抜いてさ?

魔王:君が魔法を唱えて、ピカピカ―っと剣が、ほら光るじゃない?

魔王:なんていうの?技名?みたいなの叫んでたよね

勇者:ああ、叫んだな

魔王:だよね、だよね

勇者:それがなんだというのだ!

魔王:うん、それをね、もう一度聞きたいなーって

勇者:・・・?

勇者:妙なことを言う魔王だな・・・

魔王:ごめんね?ちょっと気になっちゃって・・・

勇者:まあいい

勇者:しかし、呪文を叫ぶという事は技を出すのと同義だ

勇者:叫ぶ イコール 貴様に攻撃が行くという事だが?

魔王:あ、それは大丈夫、うん、ね、防げるし、大丈夫

勇者:くそっ・・・なめおって・・・

魔王:お願い!

勇者:・・・じゃあ、行くぞ

魔王:こい!

勇者:聖なる光よ、共鳴せよ!

勇者:バルドルの加護に従ってわが剣に力を与えたまえ!

勇者:アーク・ホーリー・シャイニングぅ!

勇者:シュークルート!

魔王:(魔法をいなして)フランス料理なのよ

勇者:くうぅ!こうもやすやすと弾かれるとは!

魔王:いや、勇者君、もうそのリアクションいいから、あの、聞いて

勇者:・・・なんだ?

魔王:うん

魔王:あのさ、最後の技名だけもう一回もらってもいい?

勇者:・・・アーク・ホーリー

魔王:うん、アーク・ホーリー、かっこいいね

勇者:・・・シャイニング

魔王:うん、シャイニングね、剣光ってたもんね

勇者:シュークルート!!!

魔王:フランス料理なのよ

勇者:どういうことだ!

魔王:いやあのね、シュークルートってフランス料理なのよ

魔王:薄切りにしたキャベツと玉ねぎをニンニクと一緒にオリーブオイルで炒めて、

魔王:白ワインとお酢とスパイスで味を調え、野菜が柔らかくなったところでベーコンとソーセージを加えて蒸したのち、

魔王:マスタードをつけて食べる伝統的なフランスの庶民料理なのよ

勇者:ええと・・・フランス料理なのか?

魔王:庶民料理なのよ

勇者:そうだったのか・・・

魔王:知らなかったの?

勇者:ああ、知らなかった・・・

魔王:あ、ああそうなの?

魔王:吾輩てっきり10年かけてフランス料理の修行してきたのかと思ったよ

勇者:そんなわけないだろう!

勇者:今回のシュークルートだってたまたまその料理と名前がかぶっていただけで!

魔王:ホントにたまたまなのかなぁ・・・

勇者:貴様、私を疑うというのかっ!

魔王:じゃあほかの技名言ってみて?

勇者:ぬう・・・

勇者:・・・地獄の業火に焼かれし死者の魂よ

魔王:はいはい、死者の魂をね、使うのね

勇者:我が剣にその無念を託したまえ!

魔王:ここで剣がおぞましい影を帯び始めてね

勇者:くらえ!

勇者:ヘルフレイム!

魔王:「地獄の炎」を横文字で言ったのね、かっこいいかっこいい

勇者:ダークシャドウ!

魔王:ね、剣も黒いしね、闇夜に紛れるダークシャドウってね、うん

勇者:フリカッセ!!

魔王:フランス料理なのよ

勇者:はあ!?

魔王:うん、フリカッセ、フランス料理なのよ

魔王:オリーブオイルとニンニクを熱してキノコと鶏肉を炒めて、

魔王:白ワインで煮詰めたらコンソメで味付けして煮汁が白濁してトロッとしてきたら

魔王:仕上げにバターを入れて最後に塩コショウで味を調えたフランスの雑煮なのよ

勇者:雑煮なのか・・・

魔王:え?なんでフランス料理なの?

勇者:これもフランス料理なのか・・・

魔王:うん・・・

勇者:くそぅ・・・しかしまだ2つ!

勇者:まだ偶然かもしれないだろう!

魔王:うん、じゃあまあ、なんとなくもうわかるけど最後の技名言ってみてよ

勇者:ああ・・・次こそは・・・

魔王:深刻な顔で祈ってるけど多分次もフランス料理だからね

勇者:そんなのわからないだろう!

魔王:そ、そう?

勇者:黙って聞いていればフランス料理フランス料理って・・・

勇者:いくぞ!

勇者:死してなお使命に燃える英霊たちの魂よ

魔王:はい、先祖の力を呼び覚ますー

勇者:気づき上げた英知をこの剣に授けよ

魔王:はい、その力を剣に込めるー

勇者:エターナル!

魔王:はい永久のー

勇者:スピリット!

魔王:魂のー

勇者:エクストラ!

魔王:最上級のー

勇者:セラフィックぅ!

魔王:天使のようなー

勇者:ロティール!

魔王:あぶり焼きなのよ、フランス料理なのよ

勇者:またか!またフランス料理なのか!!

魔王:全部フランス料理なのよ

勇者:くそ・・・全然知らなかった!

魔王:うんもう、もはやすごいよね

魔王:偶然思いついた言葉が全部フランス料理だったってことでしょ?

魔王:もうそのミラクルを誇っていいレベルだよね

勇者:誇れるかそんなもん!

魔王:うんー

勇者:もういい!殺してくれ!貴様を倒せない私に価値はない!殺せー!

魔王:えええ!自棄(やけ)になんないでよ!

魔王:違うの、吾輩もさ、勇者になら倒されてもいいかなって思ってたんだけどね?

魔王:でもさ、死因になった技名がさ、フランス料理って・・・なんか嫌じゃない?

勇者:じゃあ何料理だったらいいんだ!

魔王:いや料理が嫌なのよ

魔王:なんかもっと、もっとさあ、かっこいいので死にたいじゃん?

勇者:かっこいいじゃないか、シュークルート

魔王:うんでも料理なのよねー

勇者:うーん・・・

魔王:あ、じゃあこういうのはどう?

勇者:ん?

魔王:吾輩が、呪文っぽいのを考える

魔王:で、勇者君が適当に単語を言う

勇者:うむ

魔王:もし吾輩が気に入らなかったら攻撃を守るし

魔王:吾輩が気に入る格好いい技になったら、そしたら攻撃は守らず、吾輩は潔く、死ぬ、と

勇者:死ぬのか

魔王:うん、死ぬ死ぬ

勇者:貴様はそれでいいのか

魔王:いいのいいの、正直魔王も重荷だったし、吾輩死んでも生き返るから

勇者:それでは意味ないではないか!

魔王:あーでも次は魔王やらないかもしれないよ?

勇者:え、そうなの?

魔王:うん、言ったじゃん、重荷だったって

魔王:なんか疲れるんだよねー魔王って

魔王:魔王になった瞬間は世界の覇者って感じでテンション上がったけど

魔王:いざ続けてみるとあれやこれやっていちいち聞かれてさ

魔王:やれどこどこの洞窟が制圧されたーとか

魔王:どこどこの街でハイポーションが開発されたーとかさ

魔王:その度に「どうしますかーどうしますかー」って部下に聞かれて

魔王:そのくらい自分で考えてよ!ってさ、もう疲れちゃって

勇者:それは、大変だったな・・・

魔王:ねー、だから、もう魔王はいいかなーって

勇者:貴様がいいなら、私も願ったりかなったりだが・・・

魔王:はいじゃあ決まり!

魔王:吾輩が呪文をいうからー勇者君がシメると。

勇者:う、うむ、わかった・・・

魔王:料理っぽくないやつ言ってよね、終わんないから

勇者:ああ、尽力しよう・・・

魔王:はいじゃあいくよ!

勇者:来い!

魔王:永劫の時を司る神クロノスよ、時間(とき)の理(ことわり)を越えて召喚する!はい!

勇者:デン・ガンツェン・ターク!

勇者:キルシュトルテ!

魔王:ドイツ料理なのよ

勇者:はぁ!?

魔王:いや、こっちが驚きたいって

勇者:今度は・・・ドイツ料理なのか・・・

魔王:うん、ドイツ料理ってかもうドイツのケーキなのよ、デザート出し始めてるのよ

勇者:いや、そんなつもりは・・・

魔王:あうん、わかるよ、偶然だもんね

勇者:すまない

魔王:いいのいいの、ドンマイ

魔王:さあどんどん行こう!

勇者:ああ、頼む!

魔王:象(かたど)る色は大地を揺らす。

魔王:神のゆりかご、脈動(みゃくどう)し

魔王:剣に宿りて敵を切れ!はいっ!

勇者:シンディーローパァァァァ!

魔王:歌手なのよ、食後のディナーショー始まっちゃってるのよ

勇者:くそ!だめか!

魔王:もう・・・どんどんいくよ!

勇者:来い!

魔王:踊れよ踊れ、光よ踊れ!

魔王:精霊達よ、その妖艶なカルマをこの剣に!はいっ!

勇者:オートマティック・ロールスロイス!

魔王:はいもう車で帰ろうとしてるのよ

魔王:次!

魔王:地平線を繋ぎしものよ、天から我に力をあたえよ!はいっ!

勇者:ジオストーム!テンピューーールゥ!

魔王:帰って枕で寝ようとしない!次!

魔王:太陽より明るきこの光

魔王:わが剣を照らし敵を切れ!はいっ!

勇者:サンフォース・ソードォォォ!

魔王:お!!!!

魔王:ぐ、ぐおおおおああああああああああああああああ

勇者:・・・シャルキュトリィィィ!

魔王:やっぱりフランス料理なのよーーー!

0:魔王、消滅する。

勇者:はぁ・・・はぁ・・・

勇者:・・・やったか?

勇者:・・・やった!やったぞ!!

勇者:ついに、ついに悲願を果たした!ついに!

勇者:つい・・・に、わたしは・・・やっ・・・た・・・

0:倒れる勇者

:==================

0:以下エピローグ、読んでも読まなくてもOKです!

0:配役は魔王→サラリーマン 勇者→大将 に変わる

0:大将を男性がやる場合は江戸弁っぽくアドリブしていただいてもOKです(笑)

魔王:4億年後

0:.

0:.

0:.

魔王:お邪魔しまーす

勇者:いらっしゃい

魔王:こんにちは

勇者:どうもー

魔王:いやあ、はいはい、えっと・・・

勇者:お客さん、初めてですね

魔王:ああ、そうなんです

勇者:・・・このへんにお勤めですか?

魔王:ええ、最近越してきたんです

勇者:へぇ、転勤ですか

魔王:まあ、そんなようなもんです

勇者:とりあえず、お茶ね

魔王:ああ、ありがとうございます。

魔王:ずっと来ようとは思ってたんですけどね、ちょっと入りづらくて・・・

勇者:まあ、寿司屋って、高いイメージありますもんね

魔王:でも、たまにはね、こういうのもいいですね

勇者:ええ・・・

魔王:まあ、妻には内緒ですけど

勇者:ははは・・・えー、何にしますか?

魔王:えっと、なんかおすすめとかありますか?

勇者:おすすめですか・・・

勇者:お客さんちなみに、青魚食べられます?

魔王:ええ、基本なんでも

勇者:でしたらイワシがありまして、長崎から今朝入ったばかりなんでおいしいですよ

魔王:じゃあ、とりあえずそれください

勇者:かしこまりました

魔王:いやーでも、落ち着いてますね

魔王:たまにはこういうところでちょっと贅沢に飲むのもいいですね

勇者:はは、そうですね

0:間

勇者:お待ちどうさま、こちらイワシになります

魔王:ん・・・?

勇者:こちら、長崎で取れた新鮮なイワシをオリーブオイルとハーブでマリネして、焼いたものにトマトとにんにくを添えたものです

魔王:大将・・・これって・・・

0:一瞬、サラリーマンの記憶に何かが点滅しては消えていく。

0:大将とサラリーマンの目が合い、直後、ふたりはニヤリと笑う。

0:フランス料理なのよ・・・

:暗転

© 2024 らて@放浪作家

らての台本置き場

はじまめして!らて@放浪作家です! このサイトはシナリオライターのらてが執筆したシナリオを置いておく場所になります。 声劇や劇団のインプロ、演劇部の上演に使っていただいても構いません! 皆様こぞってご上演ください! ※上演前に必ず利用規約をお読みください

0コメント

  • 1000 / 1000